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都市部で見られるモンシロチョウとスジグロシロチョウ 見分けに迷ったらココを確認

Tags: モンシロチョウ, スジグロシロチョウ, チョウ, 同定, 見分け方, 都市部, 昆虫観察

身近なシロチョウ、どう見分けるか

春から秋にかけて、私たちの身の回りで見かける機会の多い白いチョウ。その代表格であるモンシロチョウとスジグロシロチョウは、非常によく似ているため、どちらであるか判別に迷うことも少なくないかもしれません。

図鑑の写真を見比べても、「どこが違うのだろう」と感じられた経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。ここでは、この2種類のシロチョウを都市部やその近郊で確実に見分けるためのポイントを、具体的な特徴に焦点を当てて解説します。

モンシロチョウとスジグロシロチョウの基本的な特徴と見分け方

まず、それぞれの基本的な外見と、見分けの決め手となる特徴を確認しましょう。

モンシロチョウ (Pieris rapae)

最も身近でよく知られているシロチョウです。

スジグロシロチョウ (Pieris napi)

モンシロチョウと同様に都市部でもよく見られますが、やや林の縁や水辺に近い場所を好む傾向があります。

見分けの決定的なポイント:翅脈の「筋」

静止している個体を観察できる機会があれば、翅脈に沿った模様を確認することが最も確実な見分け方です。

この「筋」の有無が、両種を識別する上で最も信頼性の高い特徴と言えるでしょう。飛んでいる個体を見分けるのは難しいですが、静止して翅を広げたとき、あるいは翅を閉じたときに裏側が見えたら、この点をぜひ確認してみてください。

生態について

両種ともにアブラナ科の植物(キャベツ、ブロッコリー、ダイコン、ナズナなど)を食草としており、幼虫はいわゆる「アオムシ」として知られています。都市部の庭や公園、畑の周辺などでこれらの植物を見かける場所は、彼らに出会いやすい場所と言えます。

活動時期は春早くから秋遅くまでと長く、年に複数回世代を繰り返します。

観察のコツと注意点

まとめ

モンシロチョウとスジグロシロチョウは非常によく似ていますが、翅脈に沿った黒っぽい「筋」の有無が最も分かりやすい見分けのポイントです。特に翅の裏側でこの筋を確認することで、より確実に識別できるでしょう。

身近な場所でこの二種類のシロチョウを見かけたら、少し立ち止まって翅の模様を観察してみてください。小さな違いに気づくことが、昆虫観察の楽しさをさらに深めてくれるはずです。