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都市部で見られるアオドウガネとドウガネブイブイ 見分けに迷ったらココを確認

Tags: コガネムシ, アオドウガネ, ドウガネブイブイ, 見分け方, 都市部の昆虫

都市部やその近郊で昆虫観察を楽しんでいると、夏場に葉っぱの上などで光沢のある緑色のコガネムシをよく見かけることと思います。この身近なコガネムシには、よく似た種類がいくつか存在します。中でも、アオドウガネとドウガネブイブイは見た目が非常に似ており、見分けるのに迷うことが多い代表的な組み合わせです。

この記事では、アオドウガネとドウガネブイブイを確実に見分けるための具体的なポイントを中心に、それぞれの特徴や生態、観察する際のコツについてご紹介します。

アオドウガネとドウガネブイブイの基本的な特徴

アオドウガネ(Anomala cuprea)とドウガネブイブイ(Anomala出典記載なし)は、どちらもコガネムシ科に属する昆虫です。成虫の体長は2cm前後で、全身が光沢のある緑色をしていますが、個体によっては青緑色や赤銅色を帯びることもあります。活動時期は主に夏(6月から8月頃)で、様々な広葉樹の葉を食べている姿がよく観察されます。

このように基本的な特徴が似ているため、ぱっと見ただけではどちらの種なのか判断に迷ってしまうことが少なくありません。しかし、注意深く観察すれば、両者を見分けるための明確なポイントがあります。

見分けの決め手は「翅の表面」

アオドウガネとドウガネブイブイを見分ける上で、最も確実で分かりやすいポイントは、前翅(ぜんし)の表面の模様や質感です。

この「翅の表面に点刻列があるかどうか」が、両種を見分ける際の最も重要な手がかりとなります。ルーペなどで拡大して観察すると、より明確に確認できます。

その他の比較ポイント(参考)

翅の表面以外にも、以下のような違いが挙げられることがありますが、個体差や観察条件によって分かりにくい場合があるため、決め手としては翅の表面の確認をおすすめします。

生態について

食性

成虫はサクラ、ケヤキ、ヤナギ、クワなど、様々な広葉樹の葉を食べます。しばしば葉を食い荒らして穴だらけにすることがあります。幼虫は土の中で、植物の根や腐植質を食べて育ちます。

生活場所と活動時期

都市部の公園、庭、街路樹、河川敷、畑など、様々な場所で見られます。特に、食草となる広葉樹がある場所に多く生息します。成虫は夏の日中に活発に活動し、葉の上で日光浴をしている姿もよく見られます。

ライフサイクル

一般的に1年で一世代を終えます。卵は土中に産み付けられ、幼虫は土の中で越冬し、春から初夏にかけて蛹になり、夏に成虫となって地上に出てきます。

観察のコツと注意点

まとめ

アオドウガネとドウガネブイブイは、都市部でもよく見られる身近なコガネムシですが、見た目が非常に似ており、同定に迷うことがあります。しかし、前翅の表面に点刻列がはっきり見えるかどうかという一点に注目すれば、両種を確実に見分けることができます。ドウガネブイブイには点刻列があり、アオドウガネにはほとんどありません。

この見分け方を知っていると、普段見かける緑色のコガネムシがどちらの種なのか判別できるようになり、いつもの昆虫観察がさらに楽しいものになるでしょう。ぜひ実際に観察する際に、このポイントを確認してみてください。