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都市部で見られる身近なバッタ3種 見分けに迷ったらココを確認

Tags: バッタ, 同定, 見分け方, 都市の昆虫, 昆虫観察

都市部やその近郊にお住まいであれば、公園や河川敷、あるいは少し背の高い草が生えている場所で、ピョンと跳ねるバッタの姿をよく目にされることと思います。私たちの身近にいるバッタの仲間にはいくつかの種類があり、それぞれに特徴がありますが、遠目にはどれも同じように見えてしまい、同定に迷うことも少なくないでしょう。

この記事では、都市部や近郊で特によく見られる代表的なバッタである、オンブバッタ、ショウリョウバッタ、トノサマバッタの3種に焦点を当て、それぞれの詳しい特徴と、どのように見分ければよいのかを解説いたします。図鑑だけでは判断に迷う点についても、具体的なポイントを挙げて説明しますので、ぜひこれからの昆虫観察にお役立てください。

オンブバッタの特徴と見分け方

オンブバッタは、都市の公園や庭先など、私たちの生活圏で最も身近に見られるバッタの一つです。名前の通り、メスの背中にオスが乗り(オンブし)ている姿をよく観察できます。

ショウリョウバッタの特徴と見分け方

ショウリョウバッタも、都市部から郊外にかけて広く見られる大型のバッタです。特に夏になると、シュルシュルという特徴的な音を立てて飛ぶ姿が観察できます。精霊流しの頃に見られることから「精霊飛蝗(ショウリョウバッタ)」の名が付いたという説があります。

トノサマバッタの特徴と見分け方

トノサマバッタは、広々とした草地や河川敷などでよく見られる、がっしりとした体格の大型バッタです。時に大発生して農作物に被害を及ぼすこともありますが、普段見かけるのは単独でいる個体が多いでしょう。

3種の見分けのポイントまとめ

以下の点に注目すると、3種を見分けるのに役立ちます。

3種のバッタの生態

これらのバッタは、主にイネ科やその他の草本植物の葉を食べます。活動時期は一般的に夏から秋にかけてで、成虫は晩秋まで見られます。卵は土の中にまとめて産み付けられ、越冬して翌年の春から初夏にかけて孵化し、幼虫は脱皮を繰り返して成長します。オンブバッタのメスはあまり遠くまで飛ばない傾向がありますが、ショウリョウバッタやトノサマバッタは比較的よく飛びます。

観察のコツと注意点

まとめ

都市部や近郊で見られるオンブバッタ、ショウリョウバッタ、トノサマバッタは、一見似ていますが、頭部の形、触角の長さ、体型、翅の長さ、前胸背板の模様といった点で確実に見分けることができます。これらのポイントを意識して観察することで、それぞれのバッタが持つ個性や生態の一端に触れることができるでしょう。

まずはそれぞれの特徴を頭に入れて、実際に草むらで探してみてください。見分ける楽しみが増え、昆虫観察がさらに豊かな時間になることを願っております。